知的資産とは
「知的資産」とは特許やブランド、ノウハウなどの「知的財産」を含み、さらに人材、技術、経営理念、組織力、顧客等とのネットワークや人脈など、財務諸表には表れない経営資源の総称です。「知的資産」は企業の本当の価値・強みであり、企業競争力の源泉といえるものです。
知的資産経営
知的資産(企業の強み)をしっかりと把握し、活用することで会社の価値向上に結びつけ、業績の安定や向上を図ることが「知的資産経営」です。企業が勝ち残っていくためには、差別化による競争優位性を確保することが必要です。そのためには、身の回りの「知的資産(見えざる資産)」、すなわち、他社にない自社の強みを競争力の源泉として、経営に活用することによって、他社との差別化を継続的に実現することができます。
知的資産経営報告書
企業が持っている技術、ノウハウ、人材などの重要な知的資産を、どのように活用して企業の価値創造につなげていくかという、自社の知的資産経営の取り組みをまとめ、その内容を開示する役割を担うものが「知的資産経営報告書」です。
知的資産経営報告書を作成し、知的資産経営を開示・評価する意義
企業が「知的資産経営」を実施し継続的な利益向上を実現するためには、その企業の取り組みをステークホルダー(取引先、顧客、株主・投資家、従業員、地域社会など)に 認知・評価してもらうことが重要です。そのため、財務諸表だけでは十分に表現できない「知的資産」や知 的資産を活用した経営手法について、ステークホルダーに対して情報開示を行う必要があります。
それでは、「知的資産経営」を開示・評価することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
1.企業価値が増大する
自社の強みを「見える化」することで、ステークホルダーから企業の実力を正し く評価してもらえます。
2.価値を創造するプロセスを明らかにする
過去から現在における企業の価値創造プロセスだけでなく、将来の価値創造プロセスを明らかにすることで、企業の価値創造の流れを説明することができます。
3.自社の優れた部分を知ってもらう(コミュニケーションツールに活用する)
伝えたい相手に自社の優位性をきちんと伝えるために、「知的資産経営報告書」を作成し、開示することで自社の価値を知ってもらいます。
4.従業員のやる気が向上する(社内マネジメントに活用する)
経営者の思いを社内に伝え、従業員が自社の強み(知的資産経営)を正確に認識 することで、個人の仕事が自社の将来価値にどのように貢献していくかが明らかになります。それにより従業員のモチベーションが向上し、生産性の向上も期待できます。また、求職者に自社の強み・魅力をアピールし、優秀な人材の確保につなげることもできます。